ものおき

書いた文章をぶん投げる

自分では気づけないんだよな【パラサイト感想】

パラサイトを観てきた。無駄のない、ひとつひとつの描写に意味があって、色んな意味で疲れる映画でしたね。最高のエンターテインメントだったけど怖かった。

 

アカデミー作品賞、内容が内容だけに「貧困にテーマを当てたからでは?」みたいな言われ方してるみたいだけど、そうじゃない。そもそも映画として超超面白かった。

 

2人の家庭教師以降のネタバレやめてねって監督から言われてるので、内容には触れずに抽象的なことだけ。この記事のタイトルは観たらわかると思う。自分じゃ気づけないを残酷に使ってて鬼!!って思ったしこれ現実でもあるよね。

 

まず疾走感というか、2時間あるはずなんですけど飽きるシーンが無くて。そこがすごいと思った。2時間ある映画って、多かれ少なかれ1時間を過ぎる前に時計見たくなる時間があること多いのだけれど、それがなかった。すごい。

 

前半のコメディタッチな「パラサイト」シーン、雪崩れ込むようなハラハラドキドキ心臓に悪い物語。それらが無駄なくひとつひとつ説得力を持って描かれるから、他のことに注意がいかない。あと予想が最悪の形で当たる、いっそ気持ちいいくらいに。

リメンバーミーをさらにエグくしたような放物線だった。うひぃ。

 

そんなかんじでめちゃくちゃ面白いのに、最後は娯楽で終わらせずに、その問題提起を観客の頭に残す。やられた〜ってなる。

私は数日パラサイトのことしか考えられなくなった。怖すぎ。寝ても覚めても思考にパラサイトがパラサイトしてた。

 

ラストシーンさ、一番最初の、映画のオープニングに呼応するっていう、あの。

オタクが好きなやつ〜!!!!!

はい(落ち着け)

やっぱり人は自分の帰るところにしか戻れないんだよな、ってなったしやっぱりオタクが好きなやつなのですごく興奮した(黙れ)

 

 

上下の位置関係とか光とか、とても印象的に使われてるから、そういうのが好きな人は全員見に行った方がいい。

あと単純に絵が綺麗。惚れ惚れするカットが沢山あった。あれしか舞台装置がないのに鮮やかに表情を変えていく設計、素晴らしかったと思う。

 

 

個人的には脈測るところとてもエロティックだと思った。ああいうシーンがあるとぐっと人物に惹きこまれるんだよな。いいよな。

 

んは〜〜!!!!パラサイト〜〜!!めちゃくちゃ面白かったから全人類観て。

また主語が大きくなったけどそれくらい良かった。

でも私はドキドキハラハラまじ辛くて逃げたくなったからしばらくいいかなーー家で酒飲みながら観たらまた違うのかもって思う。

 

空の青い地獄もあったので個人的には大満足でした。

下手なこと喋る前に終わります。以上。

そこに何があったのか思い出せない

いつも通っている商店街の一角で、解体工事が始まった。当たり前に建物があったはずのところに、工事用のシートが大きくかかっている。法律に基づいて工事の許可証とかが貼られていて、古い建物だったのか、石綿の検査結果まで貼ってあった。

 

はて、ここには何があったっけ。

 

毎日のように通る場所で、昨日も通った。その景色のことはよく覚えているはずだ。それなのに、今から壊されるこの建物がなんだったか思い出せない。

そこにシートがかかっている、という違和感だけが横たわっている。

 

見ているようで見ていないものがたくさんあって、だからといって全く見ていないわけでもなくて、喪失だけが印象として残っていた。なんてことだと思った。

忘れたことには気づけても、そこにあったことを覚えていないなんて悲しい。

 

しばらく動けなくて、工事についてつらつら書いてある、文字の並びを追っていた。

 

 

人間を辞める日

人間してるのって疲れませんか。

 

化粧するくらいの、特に美醜が人生の難易度にがっつり関わる歳になってからさらに疲れやすくなった気がする。人を保つのにエネルギーを使いすぎる。

そもそも引きこもりだし……引きこもりが洋服着て最低限の身だしなみで出歩いてるのって多分奇跡だし、そんな僕から見れば、日々ずっと可愛い女の子たちは凄いと思う。きっと気づかれないように沢山の努力をしている。出来ない僕は可愛くなれない。

 

で、ちりつもなんだとは思うけれど、特に大きな理由なく疲れちゃうだよな。人に会いたくないし化粧もしたくない。支度ってものをしたくない。

だから私は定期的に人間を辞める。

 

人間を辞めて、なにかの生物になる。

例えば猫。布団の中に丸まってスゥスゥ眠る。体が硬くなればぐーって伸びる。

例えば魚。湯が冷めるまで、ぼーっとしながら全身を水に浸す。

人間じゃないので料理もしない。昨日の人間だった自分が用意した作り置きを食べたり、もう何もかもめんどくさければご飯さえ食べない。飲みたいだけ水を飲んで、また眠る。人間辞めようと思えば、いくらでも眠れるので不思議だ。

 

 

そうやって1日をなにも生産しないで終える。人間じゃないから、1日なにもしなくていいのだ。そこに罪悪感を覚える必要もない。沢山沢山眠って、次の日は6時起き。少しだけ体が軽くなっている。

 

この人間を辞める日、なにかタスクを残して迎えると集中して人間を辞めることができないから、その日までにそれ以外のことは終わらせて、部屋も掃除しておく。明日なにもしなくていいように。

 

 

そうやって私は定期的に人間を辞める。本能の赴くまま、人からすれば無駄みたいな1日を過ごす。全部リセットして、人間に戻るための充電をする重要な日。

部屋には鍵をかけておくから、絶対に誰かに見られることもない。自分は今社会に存在しないんだって錯覚に、ひどく満足する。

シュレディンガーのアニメ4期

今日から、正確には日付を超えたところの深夜から、ハイキュー!!4期が始まる。

多分眠くて起きてられないから、明日5時とかに起きてdアニメとかいう文明の利器で見るのでしょう。

 

 

24巻からの内容ほんとにほんとにほんとに好きで、何度も読み返してるからセリフも覚えてるくらい(怖…)。そうこうしてるうちになんとなく声優さんの声想像しながらアニメーション頭で流れるやん??もう頭の中ではアニメ化してるんだよ(???)おまえがアニメーターだ。

 

しかしこれはイマジナリーアニメ化。今日からは物理的アニメ化が始まっちまう。

 

こうかな、ああかな、ってふわふわ想像上の存在だったアニメが、はっきりと「こう!!!!」って目の前に差し出される。あれだよ、仏さんってこうなのかなって思ってた人の前にドン!!!って仏像置くみたいに。え〜!こんな堂々とした顔だったの?こんな細身で私たちを浄土に連れてってくれるの?

 

つまり、想像が輪郭を持つ。それが12週続く。処理用メモリ空けてありますか? HDDの録画容量は空けたけどそっちは足りてなさそう。

 

 

まだ想像から抜けない程度の具現化なら「わ〜✨動いてる〜〜!!」ってなるけど、予想もしないような方向から殴られる演出があったら死んでしまう気がする。特に初雪とか。初雪とか。オタクはすぐ死ぬので。

 

放送されないうちはあの演出もこの演出もあるわけだけれど、放送されたらそれになる。これってめちゃくちゃ面白いよね。

どっちに転んでも情緒はぐっちゃになると思うので、シュレディンガーの箱を開けるのが怖いですわ(パンドラと混ぜるな)。

 

 

というか放送があと16時間後に迫っている今、この世にハイキュー!!4期第1話のテープが「存在する」って事実がもうはちゃめちゃにやばくて言葉失う。ついでに語彙も失った。

まだ私たちは見ていないけれど、同じ時間軸に確かに「在る」んだよ………。ハイキュー1話…。

 

うわーーーー!!!!!!どうしよーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

しばらくは毎週うるさいと思う。

 

ずっと好きだった漫画の連載が終わった

鬼灯の冷徹との出会いはもう6年前、私が14になるかならないかの頃だった。友達が単行本を貸してくれて、とてもツボに入ってどっぷりはまった。その年にちょうどアニメ一期が始まって、さらに足を沈めることになる。

 

自分が今なおアニメと漫画のオタクなのは、殆ど鬼灯の冷徹のおかげだと言っていい。漫画の表現の面白さや、アニメーションの作画、声優、音楽に注目すること(1話のOPが東京混声合唱団だったりした)、その全てを鬼灯の冷徹に教えてもらった。

鬼灯役の安元さんを追っかけてユーリ!!on ICEを見始めてさらなる深淵に飛び込んだり、なんかこうやって出会いって続くんだなって思ったり(すぐ話がデカくなるな)。

 

今、アニメをめちゃくちゃ日々の活力にしている私にとっては、かけがえのない作品なのだ。

 

 

その鬼灯の冷徹の連載が終わると知ったのは、2ヶ月前のツイッター上だった。

 

鬼灯の冷徹は数年前から隔週連載になっていて、そのときから残り5回といえど、2ヶ月はあって。「まだ年内はやるんだな」って、急な連載の終わりって感じではなくじわじわと惜しむ感じだった。

 

基本的に単行本派なのだけれど、最終回くらいは本誌で見届けたいなって、隔週でモーニングを買った。連載が終わるって決まっても、そこには私たちの知る地獄の日常があって、それが嬉しくて少し泣いた。

本誌では連載が終わるということで、今までの鬼灯の冷徹を振り返る、みたいな企画もしてくれた。こういうのほんと嬉しい。ちょっとうろ覚えのエピソードもあって、少し読み返したりした。

なんとなく、鬼灯の冷徹みたいな1話完結の連載はずっとずっと続くと思ってて、非常に身勝手だけれど「終わりますよ」って公式に言われても「いやいや、続くのでは?」って思ってたところがあって、少しずつ心の準備をしたというか「ああ本当に終わるんだな」って、少しずつ理解した感じ。死ぬ前の準備をして死期を待つみたいな。

 

 

そして今日、最終話が掲載されたモーニングが発売された。買った。

 

最終話だから特別なことなんてなくて、いつも通り、地獄の日常を垣間見れるような内容だった。少しだけ、未来を向いた話なのも良かった、本当に少しだけね。

終わり方もいつも通りだった。また再来週もありそうだなって思うような、そういう、いつも通りの終わり方で、ああ鬼灯の冷徹のこういうところが、この空気が好きだったんだよなぁって、また少し泣いた。

 

たくさんのキャラクターが描かれていた。あのキャラもこのキャラも好きだった。その1つ1つを、最終話の限られたページとコマ数で丁寧に描いてくれる、江口夏実先生が本当に好きだと思った。

そしてツイッター上に、完結記念だと、今まで出てきた全キャラ載ってるんじゃ?って感じのイラストが上がってて、「愛だ…」って特大の感情を前に放心したりもした。

 

宣伝ページには今後の発刊予定に加えて、カラー画集やツイッター上に上がっていた「落書き」のイラスト集の発売など、新しい情報が満載だった。8月に原画展も決まったので多分私は行くのだと思う。

まだまだこのコンテンツは続くのだと感じた。嬉しかった。なんか混乱して大泣きした。

 

まだコミックスも2巻残ってるし、アニメ3期の可能性も捨ててないし、手元に期間は全部あるし、まだまだ、まだまだ鬼灯の冷徹の世界には触れられる。

 

 

でも。

こんなにも終わった感がないのに、再来週のモーニングにはもう鬼灯の冷徹は無い。

もう、もう世界に鬼灯様やみんなの日常が生まれることはないんだなって、やっぱり寂しいものはさみしいと思う。

 

ハマった当時に比べれば、今はほかの漫画に対しての方が熱量が高いと思うけれど。

好きだったなぁ、好きだなぁって気持ちを思い出して、そのときの生き生きとした気持ちも思い出して、だからこそ今とても寂しいんだと思う。

 

こうやってどっぷりハマった漫画の連載が終わるのが初めてだったから、情緒がどうなるのか少し怖かった。

思ったより心穏やかだ、穏やかに、寂しい。

 

そのひとはそこにいる

もうきっと二度と会わないだろうし、万が一何処かの道ですれ違ったとしても、気づかないだろうっていう、昔は自分の大部分を占めていた人が何人かいる。

 

もう会うはずがない。会えるはずがない。だけど、ことあるごとにその人たちのことを思い出す。

乗っている電車が、その人の名前に似た駅に停車したとき。その人が好きだった食べ物が夕飯に出てきたとき。その人に教えてもらった音楽をふと街角で聞いたとき。その人と行ったところに行くとき。わたしの中にその人が現れる。

 

 

これは呪いだろう。ある種の。

わたしがその人たちのことを忘れない限り、もう会うはずもないのに、一生その人たちのことを思い出すのだ。そして、わたしの中の大部分を埋めていたその人たちの、ぽっかりと空いた黒い黒い楽園跡地を、じっと見つめる。その穴を見つめてしまえば、わたしはきっとしばらくは忘れることができない。忘れた頃にまたその人たちは現れるから、堂々巡りの喜劇である。

 

さらに救えないことには、現れるその人たちは昔のままだ。きっとその人たちは今なお、変わっている。変わらない人なんていない。それなのに、そのままだ。そのまま生き続けている。それはひどく心地よくて薄気味悪い。

 

「人の死とは、人に忘れられることだ」と誰かが言った。

その通りだと思う。人に認識されてこその生であり、その生に本当の死があるのなら、忘れられて、どこにもいなくなることだと思う。しかしこの生き方は少々歪ではないか。

 

いっそ忘れてしまえばいいのに、そのための人間の「忘れる」という機能のはずなのに、ことあるごとに蘇らせてはデータを更新するからよくないな。詳細は思い出せなくとも、大事なポイントだけは覚えている。その要約力をもう少し他のことに生かして戴きたい。

 

 

その人はずっと心の柔らかいところに居座るつもりらしいし、わたしはそれを甘んじて受け入れてしまっている。その人の意志とは関係なく。

 

 

思い出とはそうして形作られる。

 

「僕のヒーローアカデミア HEROES:RISING」 ヒロライ感想

 

※※※激重感情で叫んでる上に物語の核心的な部分に触れています。ご注意ください※※※

 

 

 

こんばんは、初日観てきました。今日の練習終わりに2回目を観にいける劇場を探したけどなくて、なんだよ22時から上映の回があったっていいじゃん!頭ん中激情暴れ狂ってあかんのでエディタを開きました。書く。書かなきゃやってらんない。お付き合いください。

 

例によってネタバレしてるのでこれから観るみなさんは決して読まないでね。あとパンフと特典も読まないほうがいいです。全てが終わってから読むべき………。

 

読みづらいところがあれば(シラフの時に)随時書き換えるのでそのつもりで。

 

 

 

では、衝撃がデカイ順に喋ります。いいですか、まだ観てないヒロアカファンはここで引き返してください、お願い。ネタバレ踏んだ〜って言われても責任取れない。次の文章はチケット1400円(前売)分の価値を優にPuls Ultraしていくネタバレです。観た人は一緒に狂いましょう。もしくはこのアホ感想を笑ってください。

 

 

 

 

・みんなびっくりのあれ・

 

オーケー、オーケー。

 

はいはい、来ると思ってたよ、最初の予告で。だって手を取ろうとしてるもん。力の譲渡ね、渡すのねオーケー。それ、髪の毛でも渡してるんじゃないの?

 

………血?????

 

血!!!!?!!!???

 

いやーびっくりした。めっちゃびっくりしたし指先の傷を少し掠ったあと、指の腹同士ちゃんと塗り込んで、その上でしかと握ったのに息止まるかと思った。は、傷口経由???そんな譲渡のしかたある…???? あるのか、だってDNAならなんでもいいんだもんね。そっかー!(???)

いやいや。いやいやいやいや。

オーケーじゃねぇよ。何にもオーケーじゃないわ。

力の譲渡?幼馴染の共闘?ふたりでひとつ?ワンフォーオール(以下OFA)とさようなら?

 

これ最終回じゃん!!!!!

 

ウエッホケッホ……ゴホッ……。

はー。

 

 

えっと、緑谷出久が力を土壇場で譲渡し無個性になるって展開、ヒロアカ読者なら一度は想像したと思うんですけど。これ、正に架空は現実にじゃん。妄想叶っちまったよ。

 

コーヘーホリコシ「一種最終回とも言えます」

なんて言われたらOFAを爆豪に譲渡するんじゃ…?って考えるやん。でもさ、心の端では「そんなことないでしょ笑笑😂」みたいな腹立つ男のLINEみたいな気持ちでいたでしょ?

 

したね????夢か???(現実みたいです)

 

しかも緑谷は「無個性に戻る」ことを覚悟の上で渡し、オールマイトのように、その残り火で、爆豪勝己に宿ったOFAと共に戦うことを選んだ。

 

みんなを守るために。

 

あーーーー!(高音)

緑谷出久緑谷出久だーーーー!

 

最近何だかんだ周りを鑑みて自分も大切にしようとするようになったけど、最後助けたいと思ったら手段を選ばない男だ。うわ〜〜1巻から芯の部分は変わってないわね好き。

この件については構成も素晴らしくて、「自分のことも大切に」って話を活真くんに、引子さんの回想を丁寧に含めてしてるんだよね。つまりこの緑谷は無鉄砲緑谷ではなく、自分を顧みる緑谷であることが示されてのこれ。

 

たくさんの今の緑谷を構成するもの、OFA含めて。それらを全て天秤にかけて、そして勝己に渡した。

やばない?やばいね???しかも血を介してだよ?

 

ぜーぜー……、息切れ。落ち着け。この件についてはスクリーンを観てほしい。あんまり語りたくない。あなたの感動をそのままそのままであってほしい。は?

 

しっかし、このシーンは私の中で三大うつくしい2つの手の1つになりましたね、1つはGPF勝生勇利FSが始まる前の繋がって離れる指輪をはめた2つの右手、2つめは丸い太陽フレアのしたで、合わさるガロとリオの2つの拳。3つめはこれ。

 

脱線した。

 

とにかく血だらけでボコボコだけど、みんなを助けるために強く握りあうその手はなによりもうつくしかった。うつくしくてキャパシティーをオーバーした。オーバーすると人は泣く(泣いた)。

 

 

これ多分お互い握りたくて握ってた(語弊)ら「違う!!!!!」ってなったけど、2人とも苦しそうな顔をしてて信頼できると思った。いっつ苦渋の判断。

特に爆豪。緑谷の「1つだけ方法がある」って言葉に、全てを察して悔しそうな顔をしたの。自分の力だけじゃ、デクと自分を曲げて共闘しても勝てないって分かって、OFAを使わなきゃいけないなんてほんとうに悔しくて、それでも受け入れることを決めた顔。

ヒーローは自分から進んで犠牲になるんじゃなくて、できることなら曲げたくない、捨てたくないものを大事にして、その大事にしたものを天秤にかけて救うからヒーローなんだよ。

そして、あの夜の闘いを経た2人だから、秘密を共有してる2人だから、緑谷も心から譲渡しようと思って渡せたんだよね。OFAは持ち主が相手を信頼し、譲ろうと思って渡さないと譲渡は完了しない。

 

まーーーー完了しなかったけどね!!!!!

よかった!!!!(クソ本音)

 

今思い返せば、アバンタイトルでちゃんと緑谷が「これは僕が最高のヒーローになるまでの物語だ」って言ってるから、このオチは約束されてたんだな。物語終わっちゃう。

そういや特典の方にホリコシ先生が「OFAの意思が介入してる」っておっしゃってて、初代が怖いな……って思ったり。初代はここで爆豪勝己に一時的な譲渡を行うことで、「緑谷出久にOFAが宿った未来」を守ったのかしらん。やることエグない?

「譲渡されたこと」を爆豪が覚えていないのも、もしや継承者の中に“記憶消し“の個性持ちが居たりして……とか、考察が広がりますね。

 

衝撃がすごくてまだ飲み込めてない。お前は塩ホルモンか。かみごたえも嚥下し辛さも天下一。

 

 

譲渡の話ここまで。そしてそのあとよ。

ドラゴンボール……って思う間も無く始まるバトルに吸い込まれてったけれど、まさかの歌だけ、バトル音、台詞なし。しかもその歌も、You Say Runのアレンジに美しい女性ボーカル。

激しい戦いのはずなのに、うつくしい、うつくしさを強調した演出で、もうとにかく泣いた。だってこの時緑谷に個性は戻らないんだって本気で思ったし。緑谷はきっとこれが僕のヒーローとしての最期だって思って戦ってたんだよ。失われるものはうつくしいので彼はうつくしかったです。

 

そして、幼少の2人を出して2人のヒーロー像の芯の真にオールマイトがあることを示す演出、素晴らしすぎて涙出た。ずるいずるいずるい!!!

2人の100%に煌めく瞳。その目、18巻のエリちゃん背負って緑谷が戦うときの目と一緒……つまり2人とも100%………この説明しないでも、すでにある情報で今の状況を語ってるの最高だと思いました。

 

あと、緑谷がOFAにさよなら言うところ、神野のオールマイトに重なって、OFA継承者の運命を思ったし、師弟揃って〜〜〜!!!ってなった。最近足技ばっかりだった緑谷が、入試の時から酷使して何度もボロボロになって、靭帯損傷直前にして基本的には使わないって決めた右手を、もう使わないだろうって、ダメになってもいいだろうって、最後の一発に選んだのだろうってのにも泣ける。この男本気で、心の底から、OFAにお別れ言いやがった。

あとでリカバリーガールにコテンパンに怒られてほしいです。

 

空(=ナイン)殴って天気変えたやつ、まんま1巻第1話の初めてオールマイトのオマージュだよね。憧れのヒーローのそれを、2人で1つで成し遂げる。ここでメインビジュアルのこれが思い出されます、ああ、そういう意味だったのだと。

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と言うか不届き者なので今気づいたんですが、スーパーサイヤ人みたいな毛の逆立ち、あれオールマイトそのものじゃん。うわー!!うわーーー!!!ごめんちょっと笑ってしまって。ごめんなさい。

 

 

ここまでの流れ、爆豪勝己は1つも覚えてねぇんだもんな……。ひとつも………。眠りの小五郎じゃん……寝たんじゃなくて気絶だけどさ……ほーんとびっくりしちゃうよ…………。

 

ただね、爆豪勝己は覚えていない、という嘘をついたという線もあるかな……って思ってます。土壇場で緑谷にOFAを返して、この譲渡の秘密を墓まで持っていく。理由がみみっちかったら尚いいなとか思う。本当はどうなのかは、爆豪勝己しかしらないのです。

 

はい、次いきます。

 

 

・最終回だけど第1話・

 

第1話、「緑谷出久:オリジン」のオマージュがえぐかったですね。

捕まる真幌と、それをどうしようもなく見つめる活真の対比は爆豪勝己緑谷出久

活真くんがナインに向かって走っていくところは、あのヘドロに向かって走る緑谷のシーンの、真っ白に光る演出そのものだし。さっきも書いたけど天気を変えた技は「デトロイトスマッシュ」で、これもあのときのオールマイトの技と同じ。

 

ヒロアカのオリジンはいつもそこにあるんだよ………。

 

 

・勝って救ける、救けて勝つ・

 

真幌と活真が大ピンチ。逃げてと言う真幌に対し、それでも無理だよね、がむしゃらにナインに向かって走ってしまいまんまと文字通り手の内な活真の絶望的なシーン。

そこに蹴り込んでくるのは緑谷出久、そして、その衝撃で投げ飛ばされた真幌をキャッチしたのは爆豪勝己

 

めちゃくちゃ熱くないですか?

 

勝つことに拘る爆豪勝己が「たすけ」、救けることに異常なほどの執着を見せていた緑谷出久が「かつ」ための行動をする。正直そのあとに譲渡の件があったから記憶からさっきまで消えてたのだけれど、やっぱこれすごいことだよ。2巻の時点で想像できるか。できません。

 

この役割分担も理にかなってるんですよね。

真幌はナインにがっちりホールドされているので、爆豪の個性、爆破では巻き込む可能性がある。ピンポイントで打撃を与えられる緑谷が攻撃をし、機動力のある爆豪が飛んだ少女の体を受け止めにいくというのはこの場の最善で。でもこの選択を仮免試験前の2人が迷いなくできたかというとできなかったと思います。クレバーなはずなのに幼馴染のことになると全然ダメになるふたりだったじゃない。だから一作目では緑谷と爆豪の共闘は一切ないしね。

 

やはりこれは、夜の闘いと仮免補講とA組B組合同訓練があったから。

 

ヒーローに憧れる少年だったふたりが、ヒーローとして必要な行動を迷いなく取れるようになったの、ほんとほんとほんと成長を感じられて好きでした。ほんとうに好き。

 

 

 

・A組の成長・

 

A組がちゃんとヒーローやっててもう嬉しくて嬉しくて。

最初の平和な依頼をこなすシーンもそう、島に籠城して、それぞれの持ち場を守るシーンもそう。みんなが一人一人ヒーローしてる。

1作目の映画は数人に絞ってスポットが当たって、内容的にもお祭り映画だったけれど、今回はみんなみんな活躍していて、仮免試験を突破して、A組B組合同訓練も経て、クラスとして成長した彼らを見ることができて本当に嬉しかった。なんというか、原作に近いよね!

個人的には前回映画では顔面偏差値賑やかし要因(酷い言い様)だった上鳴くんが避雷針として最強の囮になってたところ、自分のことをちゃんと知ってヒーローとして強くなったって感動しました。

 

ところで。

本当にこの中に内通者がいるの…???

そんなの悲しすぎるから、緑谷出久がOFAを持っていることでAFOに反応するとかなんとかで無自覚の内通者になってることにしてほしい。お願い……夢を現実にして………。

 

 

 

轟焦凍のあれ・

 

轟くんの生き様が好きだーーーー!!!好きだーーー!好きだーーーーー!好きだーーー…。

 

はい。

 

エンデヴァーが出てきた時点で、「おっ炎熱使うのか?」ってみんな思ったでしょ???

まさかの、右で、右で、冷気を最高まで貯めた………。

 

「炎でできたことを、氷でも」……。

 

冷さんの右で、プルスウルトラしたぁ…。

 

もう本当に、自分の生まれと一生懸命向き合いながら、ひたむきにヒーローを目指す轟焦凍が大好きです。No. 1ヒーローの言葉を、たとえそいつが嫌いでも思い出し、しかしそれを出力するのは、自分に「ヒーローになりたいんでしょ?」って言ってくれた母の個性。

 

轟くんの大きな成長を見た。

 

そして霜が降りた轟くん、めちゃ綺麗だったね。エルサかと思った。掠れた声も綺麗だったね(最低)

ただ対B組のときもそうやって体が耐えられなくなるまで温度あげたりしてたからほんと……身を滅ぼさない方法を選んでほしい。お前絶対緑谷出久化してるでしょ。ここは烏野じゃないんだからやめなさい。

 

というかこのネタ、漫画に取っとかなくて堀越先生は大丈夫なんだろうか。

 

 

 

・尾白くん・

 

私尾白くんめっちゃ好きなんですけどね、正直地味やしA組のなかでも目立たないから、映画一作目での登場時間多分1分ありませんでした。ウケる。

で、2作目。

いっぱいあった……(放心)。

 

最初から最後までカッコよかった。アクションもそうだけど立ち姿がもうカッコよくてカッコよくて。なんかずっとカッコよくて。

とくに海岸での「ここは俺が食い止める!」みたいなセリフ(うろ覚え)、はちゃめちゃにカッコよくて死ぬかと思った。うろなのが悔やまれる。人の名前と名セリフが覚えられない。2回目も覚えられなかったかっこよくて混乱してたので。

というか私何度も言ってたけど大スクリーンで尾白くんの尾空遷舞控えめに言ってやばいね? 死人出るよ?現にここに死人おるやん。これも架空は現実に案件だった。

 

ありがとうボンズ

 

 

 

・super dog・

 

戌年の時の年賀状のときのあいつ。

https://twitter.com/horikoshiko/status/947502933431554048?s=21

めちゃくちゃ笑った。正直この犬が出た前後のみんなの会話、こっちに目が行ってしまって全然覚えてない。堀越先生、神作画会社ボンズになんてもの描かせるんだ、最高だ。

応援上映があったら「SUPER DOG〜!!」って叫びたい。

 

 

 

・ナインと緑谷出久

 

ナイン、8つの個性をストックできて、使えるのは自分のを含めて9つの個性って設定ですが、ピーンときた方も多いと思います。もうひとりの緑谷出久じゃん。

ヒロアカはまーじで名は体を表すの世界なので緑谷出久(ク=9)もナインも「9」なわけですね。

ナインはもしかするとすると、あったかもしれない緑谷出久

 

緑谷出久は自分と八木さんが無個性だったので、個性は7かな…??

って思ってたのですが、もし緑谷と八木さんが何かしら気づかない「潜在的な個性」を持ってたら9だよな??とか今回考え直しまして。堀越先生のことだから徒らに数字を揃えるなんてことしないよな、とか。

このこと本編でやるかしら。すごく不穏な雰囲気。

 

 

・花畑と死柄木・

 

死柄木弔〜〜〜25巻以降の赤コートバージョン。

最後ナインを消すシーン、周りが綺麗な花畑すぎてあんまりにも似合わないし似合ってた。

ミッドサマーじゃないけど、底抜けに明るいなかで行われる殺戮とかとっても好きです。

死柄木は登場シーンこそ少なかったけれど、しっかり爪痕残したというか、めちゃくちゃ美味しいところを持っていきましたね。

 

 

 

・君はヒーローになれる・

 

緑谷出久大きくなったなーって。

憧れの人から言われたそれを、誰かに渡せるくらいに、彼の中でヒーロー観いうものが培われたのだろうし、だからこそ活真くんにも届いたんだろうなと思った。

 

あと、これは全編通してだけど、緑谷出久の子どもへの話しかけ方めちゃくちゃ優しくない?

あんまりにも優しい声で泣きそうになった。

仮免試験のときはキョドッてたのにな。成長したな。

 

物語の序盤で出てきたセリフをもう一度って、本当に好きなのでまじでまじで好きなので最後に持ってきてエンドロール中泣かせるのやめてください。

 

 

ただこのセリフは本当に本当に最終話にとっておくと思ってたんですけど、ここで言っちゃったので最終回は出てこないんですかね?教えて堀越先生。

あとはあれかな、今回の映画、私の記憶が正しければ「僕が来た!」とは言ってないので、最終回はこれかな……。

 

 

 

なんかだんだん曖昧になってきた。やばい。心がジェットコースターで極度の緊張で汗びっしょりで、正直落ち着いて観ていたとはとても言えないから見直したらまた随時好きだったところ書き出していきます。(※12/21追記:2回目観たので少しだけ書き加えてます)

以上、殆どが初日に観て感情荒ぶった感想でした。読んでくれてありがとう。

 

絶対観ないし。って思って覗いてくれた人は何かの縁だと思うので観に行ってください。絶対スクリーンのほうがいいです。25巻まで原作を追ってからだとさらに楽しめるし狂えると思う。

 

 

最後に。

ヒロアカ大好きだ〜〜〜!!!!!!ありがとう堀越耕平先生!!!!!!!!

こんな映画を心血注いで作ってくれた先生のつくるヒロアカの終わりが見たい。見るまで死ねないなと再度心に留めました。

ところで堀越先生、いろんなインタビューで「ネタ使っちゃったし最終回ほんとどうしよう…?」って言ってるの大丈夫なんかな……かわいいな(?)私ごときが心配するのもおこがましいけど。でもそんな先生もらしくて好きだ。

 

 

これは余談ですが、今日、去年の夏のヒロアカ映画を原作未読でほとんど知識のない私を引っ張って連れてって(沼の入り口に立たせて)くれた友達に何度も感謝の意を伝えてしまったの、あまりにもキモすぎたので反省してる。でもありがとうね。沼に沈んだのは自己責任。

 

よし、パンフレット読んでこよ。何回でも読める〜〜スルメ〜。