ずっと好きだった漫画の連載が終わった
鬼灯の冷徹との出会いはもう6年前、私が14になるかならないかの頃だった。友達が単行本を貸してくれて、とてもツボに入ってどっぷりはまった。その年にちょうどアニメ一期が始まって、さらに足を沈めることになる。
自分が今なおアニメと漫画のオタクなのは、殆ど鬼灯の冷徹のおかげだと言っていい。漫画の表現の面白さや、アニメーションの作画、声優、音楽に注目すること(1話のOPが東京混声合唱団だったりした)、その全てを鬼灯の冷徹に教えてもらった。
鬼灯役の安元さんを追っかけてユーリ!!on ICEを見始めてさらなる深淵に飛び込んだり、なんかこうやって出会いって続くんだなって思ったり(すぐ話がデカくなるな)。
今、アニメをめちゃくちゃ日々の活力にしている私にとっては、かけがえのない作品なのだ。
その鬼灯の冷徹の連載が終わると知ったのは、2ヶ月前のツイッター上だった。
鬼灯の冷徹は数年前から隔週連載になっていて、そのときから残り5回といえど、2ヶ月はあって。「まだ年内はやるんだな」って、急な連載の終わりって感じではなくじわじわと惜しむ感じだった。
基本的に単行本派なのだけれど、最終回くらいは本誌で見届けたいなって、隔週でモーニングを買った。連載が終わるって決まっても、そこには私たちの知る地獄の日常があって、それが嬉しくて少し泣いた。
本誌では連載が終わるということで、今までの鬼灯の冷徹を振り返る、みたいな企画もしてくれた。こういうのほんと嬉しい。ちょっとうろ覚えのエピソードもあって、少し読み返したりした。
なんとなく、鬼灯の冷徹みたいな1話完結の連載はずっとずっと続くと思ってて、非常に身勝手だけれど「終わりますよ」って公式に言われても「いやいや、続くのでは?」って思ってたところがあって、少しずつ心の準備をしたというか「ああ本当に終わるんだな」って、少しずつ理解した感じ。死ぬ前の準備をして死期を待つみたいな。
そして今日、最終話が掲載されたモーニングが発売された。買った。
最終話だから特別なことなんてなくて、いつも通り、地獄の日常を垣間見れるような内容だった。少しだけ、未来を向いた話なのも良かった、本当に少しだけね。
終わり方もいつも通りだった。また再来週もありそうだなって思うような、そういう、いつも通りの終わり方で、ああ鬼灯の冷徹のこういうところが、この空気が好きだったんだよなぁって、また少し泣いた。
たくさんのキャラクターが描かれていた。あのキャラもこのキャラも好きだった。その1つ1つを、最終話の限られたページとコマ数で丁寧に描いてくれる、江口夏実先生が本当に好きだと思った。
そしてツイッター上に、完結記念だと、今まで出てきた全キャラ載ってるんじゃ?って感じのイラストが上がってて、「愛だ…」って特大の感情を前に放心したりもした。
江口先生より連載完結にあたり、描き下ろしイラストをいただきました。読者の皆様に感謝を込めて。#鬼灯の冷徹 pic.twitter.com/2sIXxNmius
— 「鬼灯の冷徹」公式アカウント (@hozukiofficial) 2020年1月9日
宣伝ページには今後の発刊予定に加えて、カラー画集やツイッター上に上がっていた「落書き」のイラスト集の発売など、新しい情報が満載だった。8月に原画展も決まったので多分私は行くのだと思う。
まだまだこのコンテンツは続くのだと感じた。嬉しかった。なんか混乱して大泣きした。
まだコミックスも2巻残ってるし、アニメ3期の可能性も捨ててないし、手元に期間は全部あるし、まだまだ、まだまだ鬼灯の冷徹の世界には触れられる。
でも。
こんなにも終わった感がないのに、再来週のモーニングにはもう鬼灯の冷徹は無い。
もう、もう世界に鬼灯様やみんなの日常が生まれることはないんだなって、やっぱり寂しいものはさみしいと思う。
ハマった当時に比べれば、今はほかの漫画に対しての方が熱量が高いと思うけれど。
好きだったなぁ、好きだなぁって気持ちを思い出して、そのときの生き生きとした気持ちも思い出して、だからこそ今とても寂しいんだと思う。
こうやってどっぷりハマった漫画の連載が終わるのが初めてだったから、情緒がどうなるのか少し怖かった。
思ったより心穏やかだ、穏やかに、寂しい。