ものおき

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ハイステ大阪公演感想【11/14】

※単行本未収録の内容に触れています。ご注意。※

 

こんにちは。「ハイパープロジェクト演劇「ハイキュー!!」」大阪公演に行ってきました。これはそのレポです。

レポはあーだーこーだ言ってますが、総括するとすごく楽しかったです!!(クソバカデカ声)

 

一回しか観ていないので、情報に不明瞭な点があることをご了承の上読み進めてください。あとこれから観劇する人はこんなパッションレポは読まないで、真っさらな気持ちで舞台見たほうがいいと思います……。

なんか落ち着かない上に衝撃で記憶が飛んでるからか、内容極薄の箇所もあるので後々書き足すと思います。

 

会場

大阪メルパルクホールという、キャパ1000人ほどの小さめなホールでした。

最寄駅は新大阪駅。今回初めて新大阪駅に乗り込んだんで迷いました。JRと地下鉄含めるとだいぶ広い。早めに劇場に向かって良かったです。

 

私は二階席でしたが、その二階がだいぶ張り出しているので、舞台との距離が想像よりもずっと短く「近い!!」ってなりました。演舞を見るには二階席ってすごくいいんですよね。双眼鏡でも全員の顔が被らずに覗けるし。演舞の見え方もすごく良かった。

 

開演前

ステージにはスポットライトに照らされ、ポツンと置かれたバレーボール。会場にはどこからともなく響くシューズの擦れる音。席に着いたときからすでに始まっている…!!とドキドキしながら待っていたら、座席が徐々に暗くなりました。始まるぞ。

 

オープニング

踊るねぇ!!!

最近の2.5次元舞台では当たり前やんって感じですが、オープニングの全員でのダンス、とにかくみんなキレッキレで釘づけになりました。

あ、あの影山飛雄が踊ってる……すごい世界線に来てしまった。彼がダンス上手いのは解釈違いですが舞台だと普通に楽しいから不思議。舞台パワーってやつでしょうか。影山飛雄が踊ってるってだけでなんかもう脳がパンクしそうだったから処理の時間が欲しかったです。

最初に一段高いところで烏野が試合前わちゃわちゃするところ(言い方)(観た人には伝わるはず)、選手ではないコーチ監督マネージャー2人がやぐらにいるままなのが演出としてすごくいいなって思いました。そこ…コートに立つのはユニフォームを着た彼らだけなのだなと。しかし、そのあと、行くぜ!ってなる時には4人とも移動して烏野と同じところに立っていたから、戦う場所は一緒なのだと言ってるみたいで嬉しかった。

 

登場人物紹介、各キャラに漫画の絵を使ってるのすごい良かった!!その表情が描かれたシーンが思い返される。ただあの顔何巻のあのシーンだなってすぐわかっちゃうのオタク怖いな……って思いました自分に対して。まだ2ヶ月だろ、どんだけ読み込んでるんだよ。

 

オープニングだけでやっぱ舞台は演出が楽し〜〜〜!!!!ってとにかくなりますね。音楽も照明も派手すぎず、でもポイントをおさえていて、めっちゃ盛り上がりよかったです。

 

 

ここから本編

今回「飛翔編」ってことでね、単行本23〜26巻の、いわゆる本編で「修行編」って呼ばれてる内容を中心に、伊達工練習試合までをやるって思ってたんです。

ところがどっこい、春高開幕直前のシーンがまず冒頭におかれてびっくり。え、そこやるの!!大地さんの悪夢シーン演出ごりごりホラーで怖かった。

そんな悪夢で目覚めた初詣から、東京へのバス移動、かけす荘での「俺TSUEEE!」動画。わちゃわちゃ烏野〜〜〜(本誌のおかげで情緒不安定なので泣く)。

特に、大地さん東峰さんスガさん3人でベランダで喋ってるシーンをやってくれたのには大歓喜でした。この辺正直懐かしさで若干の走馬灯感はあるんですけどね……。潔子さんとやっちゃんのお風呂でのシーンも良かった。表情めちゃくちゃ可愛いかったし「なんか嬉しいや!」の言い方よかったです。

 

そして春高開会式。ユニフォームの烏野がプレートを持って入場。こちらではなく、舞台後方をまっすぐ向いて、背番号を私たちに見せている演出が素敵だなと思いました。

春高が始まる前の彼らの高揚をみつつ、今の本誌の展開を思い出して大泣き。高校生の彼らをまたみられたことに本当に喜びと切なさが胸に湧き上がったんだと思います。舞台だと彼らが「居る」ってことへの説得力が違うんです。もういない彼らが居ることにグワァッてなりました。

 

スタートからたっぷり30分。そして刻は巻き戻り11月へ。

この演出で、これから始まる「飛翔編」が、春高編を舞台で描かずとも、春高で大きな意味を成すことが示されていて、あーーこういうの好き!なるほど!!ってなりました。語れないところの補填を倒置法でしたわけだ。

あと、飛翔編だけでは出番の少ない烏野メンバーの生き生きした姿が見せられるようにしたのも良かったと思いますね。

 

 

合宿編前半

潔子さんのストーリーテラー的セリフにて、春高から舞台は烏野の体育館に戻ってきます。

タケちゃんからのユースメンバー発表、烏野がわちゃわちゃ動いてるのが可愛かったし日向の倒れ方が豪快だった。影山の「先行くぜ」も最高!!ステキな悪い笑顔!!!

 

全日本ユースは光来くんや侑、サクサもいました。

ユースの猛者無意識煽り影山くんめっちゃよかった。煽られる側の反応も良いです。特に光来くんの目を剝きだすような「ハァーーーー!!?!??」の言い方好き。いい光来くんでした。小さいし。だけど筋肉むきむきなの最高でした、役作りありがとうございます。

合宿シーンのも結構長い尺のダンスでしたね。全日本ユースと1年合宿をダンスの中で行ったり来たりする演出はなるほどと思いました。鷲匠監督しかいなかったから味方がおらず、日向がなおしんどい感じだったな。

日向に怒鳴る烏養コーチから、電話を受け取ろうとするタケちゃんの雰囲気佇まいが怖くて好きでした。烏養コーチびびってんじゃん……。「遠くに行くは必ず邇くよりす」ーー!!!!アニメでもまだやってないので音声で聴くのはここが初めて。ブラジル……って思ったのは私だけじゃないはずです。

 

精神的に追い詰められるシーンで、白枠がぐるぐる日向を囲む演出も印象的。白枠の中から、それぞれ日向に刺さった言葉を投げた人たちがそのセリフをリプライズするのも良かったですね。あと、覚くんが枠と一緒にぐるぐる日向を追い詰めていくのも最高の人選だったと思います。覚くんの煽り好き。牛若いなかったから牛若のセリフを覚が言ってたわけだけど、違和感なかったからいい脚本だと思いました。

 

 

初雪

ずっと楽しみにしていた「初雪」。日向が烏養コーチに「何を食べたらいいか」と問うところ、今の日向に繋がってる印象的なシーンですが、物理的に遠くにいるはずの2人が、ほぼ背中合わせで通話してるのが心の近さを表現してるようでグッときました。そのあとのコーチの「よっしゃあああ!」も良かった。日向の成長嬉しいよね。泣いた。

そして自転車を漕いで山に臨む日向。ここね、本当にステージの上から雪が舞ったんです。はらはらと。それが本当に美しくて、その雪の中がむしゃらに走る烏野が美しくて。

そう、全員走ってるんですよ。影山も月島も走ってる。日向も突っ走ってる。だけど、合宿に呼ばれなかったメンバーも走っていない訳じゃない。まだまだ完璧でない彼らが、雪の中、強くなるために、違う場所にいようとも、春高という同じスタート地点に向けて一緒に直向きに走っている。

飛び立つ前の準備の冬だったのだと、降りしきる雪と走る彼らが語る美しいシーンでした。本誌が春高終わっちゃったので尚更泣けた。ボロボロ泣いた。そして暗転。続きは10分後と相成りました。

 

あ、涙なんですけど暗転中も止まらなくて、休憩に入ってようやく、雪を掃除機で「ズゴーーー」って吸ってる音があんまりにもシュールすぎて止まりました。ありがとう掃除機。

 

後半戦に行く前に。

箸休め〜〜このキャラのこんなところが良かった編〜細かい〜〜

日向翔陽

腕のぐいって伸ばし方が好き!!あと小さい可愛い身長差ありがとう。まったく醍醐くんには見えなかったな。最初から最後まで日向だった。

 

影山飛雄

お声がまず「影山飛雄」だった。あとトス上げるポーズでの手の形が美しい。原作飛雄より荒々しい感じがあって私は好きです。ダンスがキレキレ。

 

鷲匠鍛治

背中の曲がり具合というか歩き方というか、その仕草ひとつひとつが鷲匠監督…!って感じで良かった。自己紹介とっても可愛いね。

 

ブロックのぱぁって手の広がりに覚のゲスブロックだ〜!!!って興奮した。つとむいじりもよかった。

 

叶歌

身長高!!!足長!!!!!スタイルの良さと叶歌ちゃんらしい背筋の伸び方に好きになった。

 

国見

Tシャツちょっと大きくてらしいなって思った。衣装さんいい仕事。

 

武田先生

声似てる〜〜!!あと歩き方がタケちゃんで良かった。緑のジャージもすごく似合う。タイムの出し方も可愛くてタケちゃんだった。あ〜タケちゃんって感じで終始好き。

 

月島

「でしょ」の発音が「デショ」だった(伝われ)。少し気だるげなあの感じが舞台と座席の距離でも伝わってきていい役者さんだと思いました。煽るとき楽しそうでなにより。

 

ちょっと京風の関西弁イントネーション、完全に解釈一致ですありがとう……。稲荷崎高校は兵庫だけれど、宮兄弟は京都人だと思ってたので。関西に1年住むと地域差も聴き取れますね。多分役者さんご本人はネイティブじゃないのもわかる(関西弁のネイティブとは)。

 

ノヤさん

レシーブフォーム綺麗すぎて!!!叫び声もアニメに寄せてくれて嬉しかった。

 

 

話戻しますね。ここから舞台後半。

 

合宿後半戦

侑の「オリコウさんやなぁ」きた!!!!関西弁めっちゃ良いですね。調子がいいといいつつ、その言葉に悩まされる影山〜〜〜これが伊達工戦に繋がるのです。

金田一と国見をバックに、影山の過去をフラッシュバックさせたのも親切な演出だと思いました。やっぱ影山のトラウマを再確認しないと舞台として影山飛雄の物語に対する説得力が薄くなる。ここでも、日向を追い詰める時に使っていた白枠が使われ、より白枠=精神世界の図式が明確に。これが後にも効いてきます。

 

日向の「楽に行こうぜ!」は百沢ではなく金田一。百沢は今回は居なかったけど、ごく自然な脚本になってて良かった。その日向のセリフ自体は削りたくないもんね。

スプリットステップのシーンもちゃんとやってくれて嬉しかったです。尺がない中、しっかり入れるところはおさえて日向の成長が描かれていました。

 

 

帰ってきた

日向が自転車で烏野に戻ってくる。ここで鷲匠監督の「飢え」の語りが入ってくるのほんとずるいです。あとここで光来くんも絡めてくるのほんとずるいです。「飢え」の話を彼ら2人が舞台でがむしゃらに走っているところに被せてくるの、ずるいよ……。

そしておまちかね、影山と日向が睨み合ってかけっこ!!!大好き!!!そのあとの吐きそうになるまでゼーゼーしてるところまで再現しててありがとうって思いました。えずく音、本当に吐きそうだったので心配にもなりましたが。

 

「この5日間何やってた」「ボール拾い」

ここの表情良かった。まじ良かった。

「すげぇジャンプはドン!だ!!!」って光来くんのジャンプをつたない語彙と擬音で伝えようとする影山飛雄、凄くつたなくて笑いが起きてました。漫画よりも凄くつたないし影山もあれだよあれ、とか言い出すから余計に伝わらない。

日向「わかんねーよ!!」

確かにこれは分からないね……。

 

そこから言い合いになったところでみんな出てきます。「喧嘩から平和を感じる烏野」すごくいいなって再度実感……わちゃわちゃしてるのがとにかく平和で。でもこのあと伊達工あるから平和じゃないのよなって胃がキュッとなったりしました。

 

これはハプニングなんですけど、下ろした鞄に本気で足を引っ掛けちゃって。すってーんって転ぶ影山飛雄に本気で慌てるやっちゃんがめちゃくちゃ面白かったです。会場も大笑い!

取り繕う影山に笑い声が止まってなかったです。本気で呆れてる月島もよかった。

 

ハプニングには各役者さんのアドリブが見られて素敵ですよね。ステージの上に面白くない人はいないの!ってね。

 

 

伊達工編

今回がハイキューの舞台観るの初めてだったので、スターティングメンバー並んだだけで胸に込み上げるものがありました。

伊達工は流石に7人揃ってなかったんだけど、試合――もとい演舞中はその人数の差を感じさせないような立ち回りになってて良かったなと思います。音楽がとにかくのせていく!!ボールも印象的に使われます。

影山の「強さは心地いい」!んっ〜〜いいですね、いい笑顔。しかし調子のいいところで途切れる。ここスポットライトを使用した印象的な演出でした。そこから徐々に高まる影山飛雄のストレス。阻む伊達工。伊達工組が影山にねとねとくっつく演出よかった。漫画のあの壁と根がセッターに巻き付いてくるような絵が思い起こされました。

 

 

返還

影山が王様になるシーン。影山めっちゃキレてた!!!!(嬉)伝播していく緊張感にこちらもドキドキします。やっちゃんの「なんか怖い」に全力同意してしまいました。あれだけの役者さんが緊張感を表に出すと会場の空気感も変わるのね。

日向の「なんで王様じゃいけねーの?」ってセリフで、不穏だったBGMがピタって止まるの空気の一転にいい仕事してました。静と動だなぁって。

そして……「返還」!!!

影山に王冠とローブが。あのユニフォームの上に王冠のやつ!!!生で観れると思ってなかったので変な声出そうになった。

吹っ切れたように腕をバサってやるのと合わせて飛んでいくローブと王冠。青空。ここもよかったな、影山の表情もイライラしてたものから憑き物の落ちたものへと変化。試合ダンス(試合ダンス?)も、希望あふれる曲調に変化し、烏野がどんどん生き生きしていきます。

「紛れる」の演出もよかったです。烏野の攻める攻める攻撃力が、伊達工のブロックに対して180度の壁のように立ちふさがるぐるぐるとした陣形。伊達工と烏野の戦い方の差が表現されていたと思います。

 

練習試合が終了し、12人並んでの整列も見られてよかったです。再び刻は春高へ。

 

体育館に入っていく烏野、あ、日向靴袋持ってるじゃん…!!!!正直そこまでやると思っていなかったので、そわそわしだす私。

案の定日向の靴は取り違えられます。

 

光来くん1人での演舞は、プロジェクションマッピングの演出もあいまり最高でした。これぞ小さな巨人。それを見つめ、「ここに来れて良かった」と笑顔で叫ぶ日向も良かった。

舞台で舞う光来くんと、櫓にいる日向っていう、立ち位置の差を物理的に示してるのも好き。

 

 

戦線

実は舞台オープンニングに、「戦線」1ページ目の潔子さんのモノローグがあったんですよ。その謎がここで解ける、という仕組み。

パニックになる烏野、あんまりにリアルで泣きそうになった。大切な試合の前にシューズがないなんて、やっぱパニックになるよね。生のパニックは心臓に悪い。私も多分衣装無くしたらあれくらいパニックになる。

通行パスをやっちゃんに預け、潔子さんは駆け出します。白枠の中を走りながら、モノローグ。白枠=精神世界のアレです。積み上げてきたものはあっけなく終わる、と語る後ろで、烏野のメンバーが円陣を組む演出めちゃくちゃ泣いた。

靴を受け取り、戻ってくる潔子さん。「だからどうした!」の叫びとともに、早着替えした陸上のユニフォームで体育館に飛び込むその姿にさらに泣きました。最高か……。

潔子さんは今回の舞台、基本ストーリーテラーとしてのセリフが多かったんですけど、ここはまさしく主人公。舞台の潔子さん、凄く凛とした声なのでとても映えていました。

 

エンディング

オープニングでの音楽とダンスのリプライズ。春高を前にした烏野と思われる、セリフとわちゃわちゃも再現。一度戻した時間から、元に戻して、春高に向かう彼らに帰ってくるという演出でした。

最後のダンスは、全員ユニホーム!!青城や伊達工のユニもみれて嬉しい。

 

 

カーテンコール

カーテンコールでも歩くのがのっそりな鷲匠監督が好きです。やっちゃんとタケちゃんが仲良しでハート作ってたりしたのほんと可愛かった、烏野の天使!

ラスト、座長の日向が挨拶したんですが、「これからもよろしくお願いしァッス!!」って言ってて日向だ!!!!日向だ!!!!!!ってめっちゃ嬉しかったです。カーテンコールでも日向翔陽であり続ける座長なの凄くいいな。

影山役の赤名さんがすげぇ笑顔でこっちに手を振ってきてやばい世界線に来てしまったと思いました。最前列であれ浴びた人大丈夫かな……。笑顔で手を振る影山飛雄は解釈違いですがあれはあれでいいものですね。肩を組んで舞台奥に進む日向影山の背番号に私は泣きました、本誌が本誌なので。

 

 

あ〜続編あれば春高編だよね。椿原学園との戦いが大好きなので是非観たいです。

楽しかった、ありがとうございました。