ものおき

書いた文章をぶん投げる

短文

そのひとはそこにいる

もうきっと二度と会わないだろうし、万が一何処かの道ですれ違ったとしても、気づかないだろうっていう、昔は自分の大部分を占めていた人が何人かいる。 もう会うはずがない。会えるはずがない。だけど、ことあるごとにその人たちのことを思い出す。 乗って…

ふたりになった話

イマジナリー彼氏さんについて窒素さんには「それは人魚の恋に似ていた」で始まり、「帰り道は忘れた」で終わる物語を書いて欲しいです。――『診断メーカー』より *** それは人魚の恋に似ていた、彼を人間と見立てるならば。自分と彼とでは住む世界が違うと思…

そとから

あなたの背には大きな窓があった。私はその目の前に座り、その窓の外を眺めるふりをして、あなたを見ていた。 夕日に照らされキラキラ輝いた、大きな川がその額縁から通り過ぎる。ビルで埋め尽くされたかと思うと、遠くに団地が見える。そこにはポツポツと灯…